2016年3月20日日曜日

三、相島



2016年 3月16日 
福岡県糟屋郡新宮町 相島にて

お天気 快晴



本日は彼岸の入り。
というわけで、またお墓です。



新宮港から約20分で相島。


古代は「あへのしま」と呼ばれ、
江戸時代には朝鮮通信使が来日したとき
この相島で接待したそうです。
※あへ=饗・・・食事でもてなすこと。



島は三日月形。
玄武岩の石だらけで、砂浜が少しだけ。

不思議な石の国です。




島内は少し高低差があり、途中小高いところへ差し掛かると、


とても熱心に草を積んでいる島の女性がいました。



一心に草摘む人や彼岸入り

いっしんに くさつむひとや ひがんいり
季語:彼岸入り

蓬の若葉が青々と、菜の花もやわらかく明るんでいます。

港から歩いて20分ほどで積石塚群に着きました。



“お薄、差し上げます”






まずは献茶。




本日のお茶菓子は、竹鶴饅頭本舗の桜餅。



春月や海人の眠れる石の島

しゅんげつや あまのねむれる いしのしま
季語:春月

見上げると月が出ています。




“結構なお点前でございます”


“では、自服”



“おあがりにくうございました”

旅茶碗は小さくて、茶巾がうまく納まりません。
というわけで、臨機応変に。
南方録の覚書三十二
「定法なきがゆえに定法あり」が、
心に響きます。





島北東部の浜に
4~6世紀の積石塚(お墓)が海岸に沿って500mほど続きます。

伽耶系の土器も出土しているそうです。

踏み分けても踏み分けても石!

ときどき赤い標識が立っています。
これが無いと、見過ごしてしまいそうな塚もたくさん。



石が積み重なった隙間に響くのでしょうか。

相島の石を踏むと木のような、
焼き物のような、軽い音がします。


春の海あま積む石のかろかろと

はるのうみ あまつむいしの かろかろと
季語:春の海




この石の上
を歩いていると、現世ではない、

どこか異次元にいるような気分になります。



島にはいくつか神社があります。

真ん中にある高妻神社。


急な斜面を登り、社殿の左手を望むと
もしかして磐座でしょうか?



こちらは八大龍王を祀った「龍王石」

御汐井の代わりに小石が。
珍しいですね!


さて、相島は「猫の島」でもあります。

あちらこちらにたくさんいます。


この島の猫はとても人懐っこい。
島に来る人は、釣り人と
猫目当ての方が多いようです。



「猫のえさやりは禁止」の貼り紙がありました。
猫と遊びたい人は、猫じゃらしを持参されるといいですね(=^・^=)



積石塚へお出かけの際は、歩きやすい靴で。